どうも、かたゆでです。
今回はこちらの記事の続きです。

前回は同じSeymour Duncan Nazgûlを載せたStrandberg 7弦とHEX 6弦を比較してみたところ、低域のDecayに差があることが分かりました。
というわけで今回はDecayの差を生む犯人を探していこうと思います。
まずはセッティングの見直し
今回使っているパッチの大まかな構成はこんな感じです。
ギター → ブースター → アンプシミュレーター → ディレイ → コンプレッサー
エフェクトの種類や細かいパラメータは今回は省略します。

前回の結果を見ると、このパッチを通すことで2本のLevelやSpectrumはかなり近づいていました。
ということは、
「そもそも今のセッティングをもう少し詰めれば、Decayも一緒に近づくのでは?」
というのがまず最初に思いつくところ。
というわけで、ブースターやアンプ周りを中心に、低域の量感やレスポンスを見ながらいろいろと調整してみました。
細かい試行錯誤は省略して、比較的2本の差が小さくなった設定で再測定した結果がこちら。
・見直し前

・見直し後

前回の状態と比べると、LevelやSpectrum、Residualについてはさらに2本が近づているものの、肝心のDecayはほぼ変わっていませんね。
各エフェクトを取り調べ
今回のパッチではブースター、アンプ、ディレイ、コンプレッサーを通しています。
どれか一つが2本の差を大きくしているのであれば、そいつをOFFにしたときにDecayの挙動が変わるはずです。
幸い今回はリアンプしているので、同じDRY音を使って何度でも条件を変えて試せます。
それでは各エフェクトを影響を検証していきます。
・Delay
Decayとは時間が経った後にどのくらい音が残っているかを見る指標。
真っ先に疑うべきはこいつでしょう。ということでDelayをOFFにして再測定。

ほとんど変わりませんね。濡れ衣だったようです。
音の残響による残りというよりは、残響している音そのものが今回の問題ということでしょうね。
・Comp
サステインは減衰の仕方に関係していそうなので、こちらも怪しいですね。
CompをOFFにして測定。

しかしこちらもDecay差はほぼ残ったまま。
結果は割愛しますがDelayとCompを両方OFFにしてみても大きな変化はありませんでした。
どうやら後段のエフェクトが原因ではなさそうです。
・Booster
となると残るのは歪み部分。
まずはアンプ前段で使用しているブースターをOFFにしてみます。

これがちょっと面白い結果になりました。
RMS差や周波数帯に変化が見られ、音量や低域量についてはやや近づいています。
ただしDecayは、相変わらず差が残っています。
つまり、「HEXは低域が単純に大きいから、後ろまで音が残っている」というわけではなさそうです。
・アンプ
今度は逆にブースターを残して、アンプをOFFにします。

当然アンプを外しているので音そのものが大きく変わっています。
そして、これまで見えていたDecayが大きく残る形にも変化が見られました。
ついに犯人発見か?ということで、ここからさらにアンプを深堀してみます。
・Gain:50→30

Gainを下げることで多少値は動くものの、Decayの差は依然として残りました。
しかもGainを下げたことで今度はLevelやSpectrumの差が再び大きくなってしまいます。
・Gain SW:MIDDLE→LOW

Gain SWをLOWにした場合もDecayの変化以上に他の項目が離れていく結果になりました。
アンプは確かに関係していそうですが、設定を変えれば解決するというほど単純でもなさそう。
犯人の背中は見えたものの、事件解決はまだ先のようです。
前提を疑ってみる
捜索は暗礁に乗り上げたようです。
Decayの差はアンプで生じているようですが、どうすれば改善に持っていけるのか?
容疑者を何か見落としていないか、こんな時は初心に還ってみましょう。
第1回で測定したDRY音がこちら。

…………。
そもそもアンプに入る前から全然違うな・・・・
そういえばGT-1000COREには、接続するギターに合わせて入力を調整するINPUT LEVELという設定があります。
この機能自体は以前から使っていたのですが、今回は2本ともリアピックアップをNazgûlへ交換していたため、同じピックアップならINPUT LEVELも同じでいいだろうと共通の設定を使っていました。
しかしここで改めてこのINPUT LEVELを疑ってみることとします。
HEX側のINPUT LEVELを変えながら再録音して比較したところ、+8付近でStrandbergとの入力差がかなり小さくなりました。
入口を揃えたところで、もう一度同じパッチを通してみましょう。
まずは実際の音から。

今回ずっと追いかけてきたDecayを見ると、300msこそバラつきが大きく差が出ていますがその他の差はかなり0に近づきました。
RMSや周波数帯は差が大きくなっている個所もあるので細かい調整はまだ必要そうですが、少なくとも
今回追いかけていたDecay差はかなり小さくできたようです。
最初に感じていた「HEXだけ低域の残り方がなんか違う」という問題については、原因と解決策についてかなり答えに近づいたのではないでしょうか。
今回の検証を振り返り
結論としてはINPUT LEVELを揃えましょうという何とも当たり前なことを、改めて認識しただけの話ではあるのですが、ここで少し今回の結果について考えてみます。
今回最初にINPUT LEVELを疑わなかったのには理由があります。
INPUT LEVELという名前からギターごとの音量差を合わせるものというイメージが強く、入力が小さければ音量や歪みが弱くなるのだと思っていました。
しかし今回、WET音の比較では音量や周波数の差がは小さく、「なんか違う」の正体はDecayの差にありました。音そのもののは近いが時間方向の挙動が違うという現象に対し、INPUT LEVELレベルより先にエフェクトを疑ってしまうのは自然な発想ではないでしょうか。そうだと言ってくれ。
非常に遠回りな検証をしましたが、INPUT LEVELが単なる音量調整でないことを確認できたのは個人的には収穫だと思っています。奥が深いね。私が浅いだけかな。
また、比較用のツールを使うことで耳での感覚を数字に落とし込むことも可能だと分かったので、このツールは他にもいろいろ遊べそうだなと思っています。
これにて一件落着
というわけで、長かった犯人捜しもようやく決着です。
同じNazgûlを載せていても、ギターが違えばGT-1000COREへ入る信号まで同じになるわけではない。
そして今回の2本では、その入力差をINPUT LEVELで補正することで、LevelやSpectrumだけでなく、気になっていたDecay差もかなり改善することができました。
いやーよかった。めでたしめでたし。
・・・
・・・
・・・
異議あり!!
お待ちください!この検証を始めた理由を思い出してください。
私がやりたかったのは、「ライブ中、ギターだけ持ち替えて終わりにしたい」でした。
今回の結論では結局ギターに合わせてGT-1000COREのINPUT LEVELも変更しないといけません。
これで終わりにしていいんか?と思いませんか?思わない?そうですか。。
まあ初心忘るべからずということで、もう少しだけ検証は続けます。
今度は逆に、
GT-1000CORE側をギターに合わせるのではなく、ギター側をGT-1000COREに合わせればいいのでは?
という発想でINPUT LEVELを同じ値に固定したままDRYの時点で2本をどこまで近づけられるのかを試してみようと思います。
ではまた次回


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